脂漏性皮膚炎と温泉

 脂漏性皮膚炎になっている方が温泉に行くとお肌に良いのか悪いのかを書いてみたいと思います。





 日本は温泉天国なので、全国各地に温泉や温浴施設があり、場所によって様々な成分が含まれています。その中でも、酸性泉の適応症は、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症となっているほか、硫黄泉の適応症は、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症となっています。

 こうしたことから、酸性泉と硫黄泉は、原因となっているマラセチア菌も殺菌しそうなので、脂漏性皮膚炎の治療にもよさそうです。しかし、こうした温泉の効果があるのは、症状の程度によると思います。

 脂漏性皮膚炎の初期の症状で、鼻の周りが少し赤く、小鼻の周りに鱗屑ができている程度であれば、温泉の効果が期待できると思います。

 しかし、脂漏性皮膚炎の症状が顔全体に広がり、赤みも濃いようであれば、酸性泉と硫黄泉の温泉が弱り切っているお肌への大きな刺激になるので、逆に悪化する可能性があります。

 このため、脂漏性皮膚炎の初期症状の方だけに、酸性泉と硫黄泉の温泉をお勧めします。温泉には、リラックス効果もあるので、脂漏性皮膚炎の原因の一つと考えられているストレスの軽減にもいいと思います。